全国産業観光フォーラムIN会津若松2007 〜伝統と先端技術の交錯するまち〜


開催概要


■開催趣旨

 近年新たな観光形態として注目されている「産業観光」は、いわばテーマ別の観光であり、その背景には情報化時代を反映して人々の価値観が多様になり、従来の「団体」の画一的旅行から「個人・小グループ」の旅行へとそのニーズが変化してきたことが挙げられる。地域独自のテーマ別観光を提供することにより、観光客は最も自分の好みにあったものを選択できるようになる。したがって産業観光には、在来型の観光とは異なり、多くの特性が見受けられ、それを活かすことが産業観光展開の前提である。
  地元の人が地元を理解し地域独自のブランドを形成することが重要であり、具体的には、くらしの中から「見る」「体験する」「学習する」を一体的にモデルコースなどとして情報発信及び提案する。会津での産業観光資源としては、伝統産業として会津漆器・会津本郷焼・会津清酒・家内工業的製造業、近代産業では、猪苗代湖や只見川水系などの国内最大規模の水力発電所に関連する施設・整備等、更には、IT最先端技術で世界のトップシェアを占める企業や会津大学等も、今後の産業観光資源として重要な位置づけとなる。
  会津の特性を活かす産業観光のコンセプトは、特に、時代と共に栄枯盛衰を繰り返しながら、近代会津若松の礎を築き、今でも脈々と息づいている『小規模伝統産業』に光りを当て、その活力拡大、継承につなげていくこと、また、明治以降の近代産業を支え、百年以上地域貢献を重ねてきた電力供給施設やその遺産的施設にも光りを当て、観光の素材として捉え、バリエーション増を図っていくものである。



会津の産業発展と産業観光
1.中世における地場産業
 会津における多数の地場伝統産業の中で著名なものとして会津清酒、会津漆器、会津本郷焼などが挙げられる。(会津漆器・会津本郷焼はともに国指定伝統的工芸品)これらの地場産業振興の礎を築いたのが会津藩主蒲生氏郷である。豊臣秀吉の家臣であった氏郷は会津に入部するとまちづくりや産業の振興に力を入れた。故郷近江から招かれた職人達が漆器や清酒製造に取り組み、地場産業として定着し、若松城天守閣の屋根瓦を葺くために瓦職人が招かれたのが会津本郷焼の始まりであると言われている。
  また、漆器産業が発展することにより、漆の実から採れる蝋を利用した会津絵ろうそくも産業として産声を上げることになる。木綿栽培が会津に伝えられたのも氏郷の時代であると伝えられている。清酒の醸造とともに同じ麹を利用した発酵食品である味噌や醤油の製造も発達してゆく。
  その後会津藩家老田中玄宰が酒や漆器の品質向上に取り組み、現在全国から名声を得ている会津清酒・会津漆器はこの時点で確固たる地位を築くことになる。
 全国的に見ても古くから続く伝統的産業は近代の重工業産業にその地位を取って代わられるケースも多いが、会津地域においては依然として地域の主要産業としての地位を守っている。
 
2.近世のエネルギー資源開発
 明治以降の近代に入ると国内でも重工業が急速な発展を見せ始める。明治政府は『殖産興業』を掲げ、国内産業振興に力を入れた。会津においても近代化の流れは顕著であった。
  安積地方(現在の郡山市)の広大な土地を開拓するため猪苗代湖の水利用が計画され、「安積疏水」が完成。これにより安積地方に豊富な水資源が供給され、農業のみならず工業の発展にも貢献することとなる。
 また、これら会津の豊かな水は電気事業からも注目を浴びた。かつては送電技術の未発達により遠隔地へ送電することができず電気利用地近辺での火力発電が主であったが、その技術発達により山間地の水資源を利用して発電し、遠距離の都市部へ送電することが可能となったため、猪苗代水系には世界でも屈指の発電量を誇る水力発電所が次々と建設され、ここから全国の水力電源開発が本格的に開始されることになり、日本の産業発展に大きく貢献するのである。
 
3.現代の先端産業
 近代から高度成長期にかけて、水力発電や工業製品製造において活躍していた会津地域の豊富な水資源は、IT化が急速に進展する現代社会において、新たな産業界から注目を集めることになる。現在コンピュータや携帯電話を始めとする情報機器に欠かすことのできない半導体製造において、シリコンウエハー洗浄に大量の水が使用される。ミクロン単位での精度が求められるシリコンウエハー、その洗浄には不純物混入の無い清浄な、そして豊富な水が必須である。
 会津の豊富な、そして清冽な水資源は半導体業界から評価され、現在多数の半導体関連工場が多数進出している。そしてこれら情報関連機器工場の集積に合わせ、地元経済界はこれからの情報化社会に対応した人材を輩出すべく、コンピュータ関連大学の設立を目指し、平成5年「会津大学」が開学する。ハードウェア学科、ソフトウェア学科の2学部を持ち、世界中から優秀な教授陣を集めた会津大学は情報化分野に優秀な人材を輩出し、またその中からは多数のベンチャー企業も生まれ、今後の成長が大いに期待されている。
 
4.会津における産業観光 〜伝統と先端技術の交錯するまち〜
 会津においてはこれらの伝統産業・近代産業、そして先端産業が共存している。昔ながらの酒造業、味噌・醤油醸造業、漆器製造職人達、水力発電所、半導体工場、これらが全て現役の産業として稼働している。中世から連綿と技術を受け継いできた伝統産業と最先端のIT技術を担う半導体産業が混在し、会津の産業界を支えている。ここに会津のものづくり精神が如実に現れており、様々な産業が交錯する背景に、会津のそして会津に住む人々の生活と歴史を見て取ることができる。正に会津は『伝統と先端技術の交錯するまち』であると言える。



■開催日時

 平成19年10月26日(金)〜27日(土)


■開催場所

 会津若松ワシントンホテル【会津若松市白虎町201 0242-22-6111 FAX0242-24-7535】


■参加費


 ■登録料
3,000円
 ■交流会
6,000円
 ■エクスカーション
 *オプションコースは無料
3,000円


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■プログラム


平成19年10月26日(金)

  1. 開会式  午後1時30分〜

    • 主催者挨拶 (社)日本観光協会・全国産業観光推進協議会・福島県・会津若松市・会津若松商工会議所

    • 来賓挨拶 国土交通省・経済産業省(予定)

    • 産業観光まちづくり大賞表彰式

  2. 基調対談 午後2時30分〜
    • テーマ 「地域文化を支える産業観光」

    • 赤坂憲雄氏 【福島県立博物館長・東北芸術工科大学大学院長】

    • 高橋富雄氏 【東北大学名誉教授・前福島県立博物館長】


  3. 分科会  午後3時30分〜

  4. 第1分科会  テーマ:「広域連携による産業観光」

    • コーディネーター
    • 丁野朗氏 【(財)社会経済生産性本部「余暇創研」研究主幹】

    • パネラー
    • ・里見庫男氏 【いわきヘリテージツーリズム協議会会長】

      ・佐藤健次氏 【郡山市観光協会湖南支部長】

      ・宮森泰弘氏 【(財)会津若松市観光公社理事長】

    • アドバイザー
    • 高橋 信氏 【東北観光推進機構副会長】

    第2分科会  テーマ:「産業観光と多面的観光スタイル」

    • コーディネーター
    • 清水愼一氏【(株)ジェイティービー常務取締役】

    • パネラー
    • ・新城猪之吉氏【会津若松酒造協同組合理事長】

      ・桑田 彰氏【福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター所長】

      ・渋川恵男氏【(株)まちづくり会津代表取締役】

    • アドバイザー
    • 高橋富雄氏【東北大学名誉教授・前福島県立博物館長】

    第3分科会  テーマ:「産業観光による教育旅行の推進」

    • コーディネーター
    • 前原和子氏【(有)桃青社企画編集部長・元(社)新居浜市観光協会理事・事務局長】

    • パネラー
    • ・河上一雄氏【(財)日本修学旅行協会理事長】

      ・宮崎公順氏【富山商工会議所 理事・事務局長】

      ・真部正美氏【会津若松商工会議所青年部会長】

    • アドバイザー
    • 須田寛氏【全国産業観光推進協議会副会長】


  5. 報告会  午後5時〜

  6. 交流会  午後6時〜

■会津若松市内ライトアップツアー  午後7時30分〜



平成19年10月27日(土)


エクスカーション


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