県立博物館テーマ展フォーラム

~国を超えた文化交流の先人に学ぶ~

 県立博物館のテーマ展「華麗なる島―会津出身の文化人・西川満が愛した台湾、繋いだ日本」に関連したフォーラムが7月22日、同博物館講堂で開かれ、国を超えて文化振興に尽力した会津出身の文学者・西川の生き方を学んだ。芸文交流台湾⇔会津プロジェクト実行委員会(委員長・渋川会頭)、国立台湾文学館の主催。フォーラムは「台湾と会津 西川満から現在まで」と題して催された。

 第1部は西川の長男・西川潤さん(早稲田大名誉教授)、台湾から西川研究の第一人者・張良澤さんが講師を務め、それぞれの視点から西川の功績を紹介。潤さんは左右の政治思想を超えて「台湾のアイデンティティについて、真実を紹介したのは会津の反骨精神」と評し、赤坂博物館長が「日本人、日本文学とは何かが問われている。文化は国境を超える。日本語で台湾文学を記した西川満はその好例」と結んだ。

 第2部は現在の会津と台湾の交流を取り上げた。テレサ・テンさんを端緒とした三島町、震災での支援を受けた北塩原村がそれぞれ現在の関わりや取り組みを報告。続いて当所の渋川会頭が古い街並みや蔵を保存する事業を挙げて、会津の魅力を紹介した。一般市民のほか、今回のテーマ展に合わせて張さんを団長として来日した台湾人一行約30人が聴講し、西川の功績や人柄、それを育んだ風土について思いをはせた。西川満(一九〇六~一九九九)は会津若松市生まれで、祖父は初代市長の秋山清八。台湾で出版を手掛け、文化を世界に発信、同地の版画家と「美麗本」と称される装丁の本を製作した。

 テーマ展はこうした西川の著作や雑誌など約40点を展示。会期は8月19日まで。


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